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食べ物に救われるということは本当に多々あるのだ。 お腹がすいてすいて、そこを満たすための・・という物理的な向きと、 心までに響く精神的な向きと。 精神的な向きの場合、お店の誂えだったり、 スタッフさんの気持ちのよい対応だったりが関係することが多々だけど、 そういった食べ物以外のことを全く抜きにして、全てを取っ払って 食べ物そのものだけでここまでぐっと精神の滋養となるものはそうそうない。 ものというか、お店そのものですが・・ お久しぶりのシニフィアン、フードショーへ出店中なため仕事の途中に立ち寄る。 購入したのはこのマヌカ・エルダーベリーにショコラ・バナーヌのチャバタ (この二つは催事限定)。 それに、チャバタのバコン・フロマージュと‘鉄板’クロマメ。 既知の‘バナナとチョコレートを入れたチャバタ’や ‘チーズとベーコンが入ったチャバタ’や、 ‘黒豆の入った固いパン’の記憶やイメージを鮮やかに一掃/一新するような。 いつもいつも、ここのパンは ‘この食材とこの生地’からうまれうる、最上の形を示してくれる。 いくら思いや言葉を重ねても、重ねてもらっても、 実際に食べて美味しくなかったら、それは美味しくないものなんだな。 上から目線な意見なのではなくて、それはこちらも皆同じことで。 働いて得たお金で対価をお支払いしているし、 ジャンルは違っても自分も自分の仕事でそう評価される可能性は 多々あるわけですしね。 ‘一生懸命やりました’‘努力しています’ ‘心をこめて作っています’‘こだわりをもってやっています’・・ どんなに言葉を連ねたとて、結果がそれとちぐはぐだったら、 次はないかなと思ってしまう(し、自分だってそう思われてしまう)。 ・・話戻って、シニフィアンのパンたち。 もちろん何回かに分けて食べるつもりだったけど/ 買うときに少し値段に躊躇してしまったけど/ 食べ始めたのは帰宅後深夜2時を過ぎていたけれど/ ・・全てを一人で深夜に食べ切ってしまったという・・(まさかの)。 ‘シニフィアンのパンだ’‘久しぶりだ’‘限定のアイテムだ’・・ そんなことを全てとっぱらって、これらそのものが、 ぐっと心に響いてくる味わいだったというお話。 薬蜜、なんとも粉好きにふさわしい効き目を 平日の慌しさのひといきに頂きました。 お供は最近頻度の高いヌーヴェル便のスペインワイン。 ボイーガスのブリュットに 1+1=3でおなじみ、ウ・メス・ウ・ファン・トレスのスティルワイン、Soliterra 。 ボイーガス、素晴らしい!ブランドブランの味わいがお好きな方はぜひお試しを。 エレガントかつ、奥まで香気が染み渡ります。 作り手さんはRMのシャンパーニュをよく研究されている方らしいですが、然もさも。 濃密で奥行きのあつ味わい。これまで飲んだカヴァのなかで一番好きかもしれない。 素晴らしいコストパフォーマンス。 Soliterraはチャレッロ主体(なんと樹齢50年強のもとのとか)、少しSB。 チャレッロによるボリューミーな果実味と酸。が、全てステンレスタンク使用な ためか、ボリュームに反してクリーン。最初はちょっと苦味のある感じでしたが、 少しおくと華やかさとフルーティーさが出てきました。 先ほどの対価の話に戻ると、生活者として頭を垂れたくなるような スペインワインたちの素晴らしさ。近年はより研究熱心な作り手さんが 増えているというので、今後も注目ですね。 (生産地としてのポテンシャルが高い地域も多そうだし) さて、ぽっかりとした部分への薬効。 深呼吸。
by breadandmore
| 2010-05-15 16:23
| パン(都内)
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